夏の暑さもピークを過ぎる8月末。気温はまだ高いはずなのに、ふと体が重い、やる気が出ない、眠っても疲れが取れない――そんな不調を感じやすい時期です。これは、いわゆる“夏の疲れ”が表面化しているサイン。実は夏の疲れは、真夏の暑さの中では気が張って気づきにくく、少し気温が落ち着き始める今の時期に一気に出てくることが多いのです。
■夏の疲れの正体
では、この“夏の疲れ”とは何なのでしょうか?
主な原因は次の3つに分けられます。
① 自律神経の乱れ
猛暑と冷房の温度差、屋外と室内の出入りを繰り返すことで、自律神経がフル稼働します。汗をかいたり体温を下げたりと、体はずっと調整を続けてきました。その結果、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、だるさ・頭痛・不眠といった症状が現れやすくなります。
② 胃腸の疲れ
冷たい飲み物やアイス、そうめんなどのあっさりした食事を好む夏の食生活。
実は胃腸を冷やして働きを鈍らせています。
そのため「食欲がない」「胃もたれする」「下痢や便秘が続く」といった消化器系の不調につながりやすくなります。
③ ミネラル・水分バランスの乱れ
大量の汗で失われた水分やミネラルを十分に補えないまま夏を過ごすと、体内のバランスが崩れ、疲労感や筋肉のこわばり、集中力の低下が起こります。
■夏の疲れを放置するとどうなる?
「涼しくなれば自然に回復するだろう」と思いがちですが、夏の疲れをそのままにしてしまうと、秋以降の不調につながります。いわゆる“秋バテ”です。
秋バテの典型的な症状は、
•食欲不振
•朝起きられない
•気分が落ち込みやすい
•風邪をひきやすい
など。
夏に無理をした体が回復できないまま、季節の変わり目に入ることで体調を崩しやすくなるのです。つまり8月末は「秋バテを防ぐための分岐点」でもあります。
■今の時期に意識したい過ごし方
具体的なセルフケアとしては、次のようなことを意識すると効果的です。
•冷たい飲み物を控え、常温の水や温かいお茶をとる
•睡眠リズムを整え、夜更かしを減らす
•軽い運動やストレッチで血流を促す
•旬の食材(ナス、トマト、オクラなど)をバランスよく取り入れる
無理をして急に生活を変える必要はありません。大切なのは「夏のダメージをリセットする」意識を持つことです。
8月末は、ただ夏が終わるだけではなく「体の調子を秋に向けて切り替える大切な時期」です。夏を駆け抜けてきた自分の体に「ありがとう」「お疲れさま」と声をかけるような気持ちで、生活をほんの少し整えてみましょう。
その積み重ねが、秋を健やかに過ごすための土台となります。
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